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revue


2006.2.12 札幌アンダーグラウンド ミーティング A Moist Reason To Live『湿った 生き続く 理由』LIVEレポ−ト
2005.2.18 ズボンズ インタビュー
2004.10.23 非常階段 JOJO広重インタビュー
2004.10.30 FLUKE、JAZZTRONS、ここのか、TEXASPACO、GASOLINE GIRL、ボンシュラナンセンスクラブバンド インタビュー


〜札幌アンダーグラウンド ミーティング
A Moist Reason To Live〜
「湿った 生き続く 理由」LIVEレポ−ト

LIVE DETA
2006.2.12(Sun) at HALL SPIRITUAL LOUNGE
open 18:30 start 19:00
w/森川誠一郎(Z.O.A)+安藤邦博(F.H.C)+高橋幾郎/
高橋ヨーカイ(ex.裸のラリーズ)+えにし(えんりえど)
+Richard Horner/
小川直人(Surfins)+カマダリエ(女学生)/角煮/アシュラスクール/
いきだおれLtd(ex.まるきんとみちずれ)
DJ : Transfluxion


去年、スピリチュアルラウンジを襲撃した大阪アンダーグラウンド界の新星「あふり らんぽ」「オシリペンペンズ」「ZUINOSIN」やキングオブノイズ 「非常階段」のJOJO広重氏を筆頭に関西や東京からの沢山の超個性的なサイケデリッ ク軍団と戦ってきた札幌アンダーグラウンド界の雄達と東京から20 年以上に渡って恐竜のようにゆっくりと活動を続ける大御所「Z.O.A」の森川誠一郎 氏 そして伝説のバンド「裸のラリーズ」の元ベーシストである高橋 ヨーカイ氏を迎えてこの春より活動を開始する新レーベル「湿った質問」プロデュー スによる記念すべきイベント「A Moist Reason To Live 湿った 生き続く 理由」が行なわれた。我々は無意味に意味をもつ。意味を無意味にする。そして音楽 で世界を変える。そんでもって最終目標は狸小路商店街のテーマをもっと 変な曲に変えることだ!!!

マイナー音楽博士のDJトランスフラクション氏の選曲の音楽にのって最初に登場した のは我ら「アシュラスクール」。アシュラスクールは精神科医で漫画評 論家さらには札幌アンダークラウンド界の伝説的バンド「パイナップル」のメンバー そしてこのレーベルの主催者である阿部幸宏氏や、最も複雑な演奏をする バンド「F.H.C.」のカサイ氏と留美嬢や、話題の「角煮」のゆみ嬢、「キャッチザモ ノクローム」の吉田氏、元「グナッツサッカー」のロペス氏、元 「いまさらイスラエル」の統子嬢、犬のボッチー君、そして私、十蘭堂の小磯などに よる9人編成の「クイーン」以来(笑)のロックオペラバンドである。演 目は新作「地獄なあなた」。芸術を求める人達の悲しみを表してみましたが、観た人 の心にどう響いたのでしょうか?私はさっぱりわかりません。それは自分 でも何をやっているのかちっともわからないからだと思われます。我々は、わからな いことが面白いのです。恒例の大鐘の連打、そして阿部先生の「今日の授 業はこれでおしまい」の一言でこの日のレッスンも無事終了しました。

次に登場したのは 高橋ヨーカイ氏と「えんりえど」のえにし氏 そして先進的な録 音を得意とする「ブラック スノウ フレイクスタジオ」のオーナーであ り「湿った質問」のプロデューサでもあるノイジシャン、リーチャード・ホーナー氏 による今日の為に結成されたスペシャルユニットの演奏でした。高橋ヨー カイ氏は昨年、脳溢血で倒れ半身マヒという状態になりながらも執念の演奏者として 奇跡の復活。ヨーカイ氏を中心に左からえにし氏の幻想的な尺八や和太 鼓、右からリチャード氏のギターとアナログシンセマニアには涎物のモジュラーシン セの名機「ブックラー」を使った重厚なノイズでのツボを押さえたサポー トによりさすがとしかいえないサイケデリック歴30年のフィードバックサウンドを 聞かせてくれました。彼らの出す音は深く深く闇に落ちてゆき、聞くもの を異世界に連れていってくれました。

次に登場したのは「いきだおれリミテッド」でした。ノイズバンド「フルリ」の ヴォーカルであった、まるきん氏を中心に色々なバンドで活躍するベーシスト のテツ氏、元「ペケペケエントロピーズ」のキーボード奏者であったAUTISO氏、札幌 では珍しい女性ノイジシャンのシノ嬢による、アバンギャルドダン スミュージックとでもいいましょうか。意外(?)とビートの効いたノイジーなサウ ンドに、ほとんど前を向かないまるきん氏の「ラリ〜ラリ〜」という脱力 なボーカルが被さり、なんともいえないスモーキーな雰囲気が会場を包んでいまし た。ホント彼らは悪い大人だと思います。

そして次は「サーフィンズ」主催の札幌ダメ音楽王、小川直人氏と「ピロピロスパン コール」「女学生」の札幌ニューウェイヴの女王、カマダリエ嬢の夢の顔 合わせです。まず2人がステージに上がった時の絵が凄かった。2メートル近い巨漢 の坊主の男と白いワンピースの美女が並んで機材の山をこねくり回す様は  完全に私がいままで見た事の無い光景でした。そして出て来る音は「ブリッ」「ブ リッ」とか「ビニョッ」「ビニョッ」などの物凄く変な音ばかり、ほぼ交 互に2人がボーカルをとるのですが、声も強くエフェクト処理されていて、叫んでも 叫んでも「ピヒャ〜!!」「ピヒャ〜!!」としか聞こえない!! 更に 客席に乱入しまくり暴れまくりのレジデンツもデアプランも吹っ飛ばす凄まじくモン ドなステージでした。

次は、去年大阪で「あふりらんぽ」と合体したり、1月に東京で400人を動員した 「円盤ジャンボリー」の目玉として招待されたり、ライブDVD「生理前 はヤンヤンヤン」が高円寺のCDショップ円盤の1月の売り上げチャートの2位を獲得 したり すっかり全国に名前をとどろかせてしまった「角煮」の札幌で は半年ぶりの演奏です。大きいステージをこなしてきただけあって、一回りも二回り も成長した彼女らのステージングと恐ろしいほど息のあった演奏に満員の お客さんは誰もが皆驚いたと思います。2年前に移転前のスピリチュアルで流血ノイ ジシャン「ルーカス」の前座で初ライブをした時 彼女らはまだ19歳の 楽器を始めたばかりの学生でした(今もまだ学生でした)。それからたったの2年で 彼女達はここまで来たのです。まったく意味を持たない芸術的なパフォー マンスとオリジナリティ溢れるロックンロールを交互に観せて観客の脳みそを刺激し てくる「角煮」の攻撃にもう頭はグルグルに掻き回されっぱなしです。3 月にはまた東京で7インチシングルの為の公開ライブ録音、その後には待望のフルア ルバムが「湿った質問」の第1弾としてリリースされます。こうご期 待!!

5時間に渡る、このイベントのトリを飾ったのは、今年ドイツでの能のライブが決定 している孤高のボーカリスト森川誠一郎氏と即興のワークショップを主催 するF,H,C,のコントラバス奏者、安藤邦博氏と4月には「LSDマーチ」でヨーロッパ ツアーに出かける札幌在住の天才ドラマー高橋幾郎氏による豪華 な共演です。やはりこの演奏を観に東京からやってきた人もいたようです。東京での 活動歴が長く数々のアーチストと共演している森川氏と高橋氏ですが不思 議と今まで一度も一緒に演ることはありませんでした。今回、安藤氏の呼びかけで札 幌で初めてこの豪華な共演が実現。DJトランスフラクション氏によって 会場に流れていた音楽も、彼らの希望により止められ、セッテングの時から完全な無 音状態が続き、さっきまでの雰囲気が否が応でも消されていきます。横一 列にドラム、コントラバス、ヴォーカルと並ぶ入念なセッテイングが終わり一度楽屋 に退場、時間をおいて3人が楽屋から現れただけですっかり今までの長い ライブの余韻は消され 新たな気持ちで演奏を観る空気に変えられてしまっていまし た。最初に中央の安藤氏のコントラバスが音を出し始めます。しかしすぐ には他の2人は音を出しません。真剣勝負の侍のように2人は間合いをとっているよ うに見えます。高橋氏は絶えず動いているのですがステックはほとんど音 を出しません。森川氏がゆっくりと言葉を絞り出し始めてから、ようやく高橋氏も丁 寧に丁寧に音をだしてゆきます。森川氏の読んでいる文章は入場の際に配 られた冊子に書かれたすべて古語で書かれた残酷な愛の物語のようです。意味のひと つひとつは解りませんが、意味を追えない分、むき出しになった悲しみだ けが伝わってきます。味わったことのない心地よい圧倒的な緊張感が会場を包みま す。3人の音楽鬼による演奏は、時には激しい嵐のようにヒステリックに、 時には何もかもが消されてしまう暗闇のように寂しく、渦を作りうねりながら流れて いきます。演奏に呑まれてしまって時間の感覚も自分の感覚も無くなって しまい、曲が終っても自分を取り戻すのに時間がかかりすぐには反応できないほどで した。

すべての演奏が終了して
人々は家路につく
背中には音楽の鬼が背負わさっている。
私たちは生き続く
どんなにずぶ濡れになっても。


小磯卓也(アシュラスクール)


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